カテゴリ: Kotlin 更新日: 2026/03/09

Kotlinのtry式とは?初心者でもわかる例と使い方をやさしく解説

Kotlinのtry式(式としての使い方)を初心者向けに解説
Kotlinのtry式(式としての使い方)を初心者向けに解説

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、Kotlinのtryって、例外処理だけに使うものなんですか?」

先生

「いい質問ですね。実はKotlinでは、tryは“式”としても使えるんです。」

生徒

「“式”ってなんですか?初めて聞きました……」

先生

「大丈夫、初心者でもわかるように、これからやさしく解説しますね!」

1. Kotlinのtryは“文”ではなく“式”としても使える

1. Kotlinのtryは“文”ではなく“式”としても使える
1. Kotlinのtryは“文”ではなく“式”としても使える

Kotlin(コトリン)の大きな特徴の一つに、tryが「式(しき)」として扱えるという点があります。Javaなどの他の言語では、tryは単にエラーを防ぐための「文(構文)」でしたが、Kotlinでは実行した結果として「値」を返してくれる便利な仕組みになっています。

ここで言う「式」とは、計算や処理のあとに結果(値)が手元に残るものを指します。身近な例で考えてみましょう。

  • 式(Expression): 1 + 1 のように、計算すると「2」という結果が返ってくるもの。
  • 文(Statement): println("Hello") のように、処理を実行するだけで、それ自体が値を持たないもの。

Kotlinのtryは式なので、エラーが起きなかった時の値や、エラーが起きた時の代わりの値を、そのまま変数(valなど)に代入することができるのです。これにより、コードが非常にシンプルで読みやすくなります。

まずは、プログラミングが初めての方でも分かりやすい「おみくじ」のようなイメージで、式としての動きを見てみましょう。


fun main() {
    // tryの結果をそのまま変数「message」に代入しています
    val message = try {
        "ラッキー!成功です" // エラーがない場合はこの値が返る
    } catch (e: Exception) {
        "残念、エラーが発生しました" // エラーが出た場合はこの値が返る
    }

    println(message)
}

このコードでは、tryブロックの最後の一行が「式の戻り値」となります。このように「エラーを監視しながら、同時に結果を受け取る」ことができるのが、Kotlin流のスマートな書き方です。わざわざtryの外側で空の変数を作っておく必要がないため、バグの少ない安全なプログラムを書くことができます。

2. try式の基本的な書き方と代入の仕組み

2. try式の基本的な書き方と代入の仕組み
2. try式の基本的な書き方と代入の仕組み

Kotlinのtryは、単なるエラー処理の構文ではなく、「結果を値として返すことができる」という便利な特徴を持っています。これを「式(Expression)」と呼びます。

プログラミングが初めての方でも分かりやすいように、割り算の結果を変数に代入するシンプルな例を見てみましょう。もし計算中にエラーが起きても、プログラムが強制終了せずに、あらかじめ決めた「安全な値」を返してくれます。


fun main() {
    // tryの結果を変数resultに直接代入します
    val result = try {
        // 通常通り実行したい処理(ここでは 10 ÷ 2)
        10 / 2
    } catch (e: ArithmeticException) {
        // エラー(0での割り算など)が発生したときに返す値
        0
    }

    println("計算結果は $result です")
}

このプログラムの動きを詳しく解説します。まずtryブロックの中が実行され、10 / 2の結果である「5」が導き出されます。このとき、エラーが発生しなければ、そのままresultという変数に「5」が格納されます。

一方で、もし10 / 0のような計算(0除算エラー)を行おうとした場合は、即座にcatchブロックへ処理が移り、そこに記述された「0」がresultに代入される仕組みです。このように、「成功時の値」と「失敗時の値」をスマートに使い分けられるのがKotlinのtry式のメリットです。


計算結果は 5 です

例外処理と変数への代入を1か所で完結できるため、コードがスッキリとして読みやすくなり、記述ミス(バグ)を減らす効果も期待できます。初心者の方は、まずはこの「変数に代入する形」をセットで覚えるのがおすすめです。

3. try式は変数代入に便利

3. try式は変数代入に便利
3. try式は変数代入に便利

try式を使うことで、エラーがあっても安全に値を設定できます。例えば、ユーザーが入力した数字を整数に変換したいときにも使えます。


fun main() {
    val input = "123"
    val number = try {
        input.toInt()
    } catch (e: NumberFormatException) {
        -1
    }
    println("変換結果は $number です")
}

この例では、文字列"123"を数値に変換しています。toInt()で失敗するとcatchに入り、-1が代入されます。


変換結果は 123 です

4. try式でのfinallyブロックの扱い

4. try式でのfinallyブロックの扱い
4. try式でのfinallyブロックの扱い

try式にはfinallyも使えますが、finallyは結果には影響しません。必ず最後に実行される処理を書くだけです。


fun main() {
    val result = try {
        10 / 2
    } catch (e: Exception) {
        0
    } finally {
        println("後処理を行います")
    }
    println("結果は $result")
}

この例では、finallyの中のprintlnは実行されますが、resultの値には関係ありません。


後処理を行います
結果は 5

5. try式の中で関数を呼び出すこともできる

5. try式の中で関数を呼び出すこともできる
5. try式の中で関数を呼び出すこともできる

さらに応用として、try式の中で関数を呼び出すことも可能です。


fun safeDivide(a: Int, b: Int): Int {
    return try {
        a / b
    } catch (e: ArithmeticException) {
        -1
    }
}

fun main() {
    val result = safeDivide(10, 0)
    println("安全な割り算の結果: $result")
}

このコードでは、0で割ろうとしてもエラーを出さずに-1を返します。こうすることで、安全にプログラムを続けられます。


安全な割り算の結果: -1

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6. Javaとの違い:Kotlinはtryもreturnも柔軟に使える

6. Javaとの違い:Kotlinはtryもreturnも柔軟に使える
6. Javaとの違い:Kotlinはtryもreturnも柔軟に使える

Javaではtryは「文」としてしか使えないので、returnの中に書くのは少し面倒です。でも、Kotlinではtry式として扱えるので、関数の中で直接return try { ... }と書けます。


fun getNumber(input: String): Int {
    return try {
        input.toInt()
    } catch (e: NumberFormatException) {
        -1
    }
}

このように、関数の戻り値としてtryを直接使えるのがKotlinの魅力です。

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