Kotlinの条件式を1行で書くコツ!条件演算子の活用例
生徒
「先生、Kotlinで条件によって値を変えるとき、複雑なifを毎回書くのって大変です。」
先生
「そうですね。そんなときにはKotlinの条件演算子を活用して、1行でスッキリ書く方法があります。
生徒
「条件演算子ってどんなものですか?」
先生
「ifを式(しき)として使うことで、?:やif/elseを1行で書けるんですよ。では、具体例を見ていきましょう!」
1. Kotlinの条件演算子とは?
Kotlin(コトリン)では、ifを式として使うことで、三項演算子のように値を選ぶことができます。ただし、Java風の?:演算子はなく、if/elseをそのまま式として使います。
また、?:と似た意味で使えるのが「エルビス演算子」と呼ばれる?:です。これは「null合体演算子」といって、変数がnullかどうかによって代わりの値を使いたいときに便利です。
2. 1行で条件分岐「if式」の使い方
まずは基本のif式を1行で書いてみましょう。次のように書けます。
val score = 80
val result = if (score >= 60) "合格" else "不合格"
println(result) // 合格
この例では、「scoreが60以上なら「合格」、そうでなければ「不合格」」という判断を1行で行っています。
ポイント:Kotlinではifも式(値を返す文)なので、変数にそのまま代入できます。
3. エルビス演算子(?:)でnullチェック
Kotlinでは、値がnull(ヌル)かどうかをチェックして、代わりの値を使うときに?:が使えます。nullとは「何もない」という意味です。
val name: String? = null
val displayName = name ?: "名無し"
println(displayName) // 名無し
このように「nameがnullじゃなければそのまま、nullなら「名無し」」と1行で書けます。
4. 複数条件を1行で書く工夫
条件がもっと複雑でもif式を使えば1行で書くことができます。例えば点数によってランクを判断する場合です。
val rank = if (score >= 90) "A"
else if (score >= 75) "B"
else if (score >= 60) "C"
else "D"
println(rank) // B など
このように改行を入れても1つの式なので、変数rankに結果をまとめて代入できます。
5. 条件演算子を関数内で使う例
実際の関数内でどう使うかも見てみましょう。
fun greeting(age: Int) =
if (age >= 18) "大人" else "未成年"
println(greeting(20)) // 大人
関数を1行で書く「式関数」と組み合わせると、コードがとてもスッキリします。
6. 1行で書くときの注意点
- 式が長すぎると読みづらくなることがあります。無理に詰め込まず、適度に改行やコメントを入れましょう。
- null安全も意識しましょう。
?:だけでなく、?.(セーフ呼び出し)などと組み合わせると安心です。 - 慣れないうちはまず普通の
ifで書いてから、スッキリさせたほうが理解が深まります。
7. 条件演算子を使うメリット
条件演算子を使うことで、
- コードが短くスッキリ、すぐに処理の意味がわかる。
- 式として使えるので変数への代入や返り値に便利。
- nullチェックが簡単に書ける。
プログラミング未経験でも、最初は「1行で書ける方法としてif式や?:があるんだ」と覚えておくだけでもOKです。
まとめ
Kotlinにおける条件式の書き方は、初心者がつまずきやすいポイントのひとつですが、基本となる考え方をしっかり理解すれば、条件分岐を驚くほどシンプルに、そして読みやすく表現できるようになります。今回の記事では、Kotlinのif式を使った1行での条件分岐、そして便利なエルビス演算子(?:)を中心に、その特徴や使い方を丁寧に見てきました。とくにKotlinでは、ifが“文”ではなく“式”として扱われ、値を返して変数に代入できることが大きな特徴です。この性質を理解すると、複雑に見える条件処理も整って見通しが良くなり、プログラム全体の可読性が大きく向上します。
さらに、エルビス演算子(?:)を使ったnullチェックは、Kotlinのコードを自然に簡潔に書くうえで欠かせない機能です。nullという概念はプログラミングを学んでいく上で避けて通れませんが、Kotlinでは?:を使うだけで「nullなら代わりの値を使う」という処理がすぐに書けてしまいます。これにより、余分なif文を書かずに安全な値の取扱いが可能になり、エラーを防ぎながら柔軟なコードを実現できます。
また、記事の後半では複数の条件を判断してランク分けをしたり、関数内で条件演算子を使ったりする応用例を紹介しました。このように、条件の複雑さが増したり処理の規模が大きくなったりしても、Kotlinのif式やエルビス演算子を使いこなすことで、無駄な分岐を避けながら読みやすさを保つことができます。特に式関数と組み合わせると、コード全体がより自然で整理された形になるため、実際の開発でもよく使われる書き方です。
ここでは、今回学んだ内容をもう少し実践的に確認できるように、少し発展したサンプルコードを掲載します。条件式、エルビス演算子、式関数、そして1行での記述を意識しながら読むことで、Kotlinの特徴がさらに理解しやすくなるでしょう。
応用サンプルコード
fun main() {
val inputName: String? = readLine()
val userName = inputName ?: "ゲストユーザー"
val age = 20
val status = if (age >= 18) "大人" else "未成年"
println("ようこそ、$userName さん")
println("あなたの区分:$status")
val score = 72
val level = if (score >= 90) "最高ランク"
else if (score >= 75) "上位ランク"
else if (score >= 60) "中位ランク"
else "初級ランク"
println("判定ランク:$level")
}
このサンプルは、入力された名前のチェックにエルビス演算子を用い、年齢やスコアの判定をif式で1行または少ない行数で表現した例です。Kotlinらしい軽快で読みやすい記述がまとまり、複雑な処理も簡潔に見せる構造になっています。こうした書き方を繰り返し練習することで、自然と条件式に強くなり、コードの品質も高めていくことができます。
最後に、条件式を1行で書けるからといって必ずしも1行にまとめればよいというわけではありません。読みやすさや意図の伝わりやすさを最優先に考え、適度に改行やコメントを入れることも大切です。Kotlinは柔軟で表現力が高い言語なので、自由度の高さを活かしつつ、読みやすいコードを目指す習慣を身に付けていきましょう。今回学んだ知識を活かして、さまざまな条件式の書き方に挑戦してみてください。
生徒
「先生、Kotlinってif文をそのまま式にできるところがすごく便利だと感じました!」
先生
「そうですね。式として扱えることで、変数への代入や関数の返り値として自然に使えるようになるので、コードがずいぶんスッキリします。」
生徒
「あと、エルビス演算子の?:もとても便利でした。nullかどうかで値を切り替えるのがこんなに簡単だとは思いませんでした。」
先生
「Kotlinの強みのひとつがnull安全ですからね。?:や?.を活用すると、エラーを減らしつつ読みやすいコードになりますよ。」
生徒
「複数条件を1行で判断する方法も実務で使えそうです!ランク判定とか似た処理が多いので役立つと思いました。」
先生
「その観点はすごく大事ですね。状況に応じて1行で表現したり、見やすく改行したりしながら、読み手を意識した書き方を選べるようになるとさらにレベルアップできますよ。」
生徒
「今日学んだ書き方を、これから自分のコードでも積極的に試してみます!」