Kotlinのコルーチンとは?非同期処理の基本概念をやさしく解説
生徒
「アプリが止まらないように、同時に処理を進める方法ってKotlinでありますか?」
先生
「はい、それにはコルーチン(coroutine)という仕組みを使います。非同期処理を簡単に書けるのが特徴ですよ。」
生徒
「非同期処理ってなんですか?聞き慣れない言葉です…」
先生
「大丈夫です。非同期処理とは、アプリを止めずに別の処理を同時に進める方法のことです。くわしく見ていきましょう。」
1. 非同期処理とは?日常の例でイメージしよう
「非同期処理(ひどうきしょり)」とは、コンピュータがひとつの作業をしている途中でも、ほかの作業を同時に進めることができる仕組みのことです。
たとえば、料理をしているときに「炊飯器でご飯を炊いている間に、野菜を切る」といった行動をとりますよね?これが「非同期処理」の考え方です。
Kotlinでは、このように同時に処理を進めるための便利な機能として「コルーチン(coroutine)」が用意されています。
2. Kotlinのコルーチンとは?
コルーチンとは、Kotlinで非同期処理を簡単に実現するための仕組みです。複雑なコードや特別な設定をしなくても、シンプルなコードで非同期処理を書くことができます。
コルーチンは、suspendキーワードを使って「一時停止できる関数」を定義することで、処理の途中で待ったり、再開したりすることができます。
たとえば、「インターネットからデータを読み込む処理」などは時間がかかるため、コルーチンを使うことで、アプリが固まらずスムーズに動作します。
3. コルーチンの基本的な使い方
実際に、Kotlinでコルーチンを使って非同期処理をするコードの基本はとてもシンプルです。下のコードは、コルーチンを使って2秒待ってから文字を表示する例です。
import kotlinx.coroutines.*
fun main() = runBlocking {
println("処理を開始します")
delay(2000) // 2秒間待つ(非同期で)
println("2秒後に表示されるメッセージ")
}
このコードのポイントは、delayを使っている部分です。これはコルーチン用の「待つ」関数で、アプリ全体を止めることなく処理を一時停止できます。
4. 実行結果を確認しよう
処理を開始します
2秒後に表示されるメッセージ
実行すると、まず「処理を開始します」が表示され、2秒後に「2秒後に表示されるメッセージ」が続けて表示されます。これが非同期処理の基本的な動きです。
5. なぜコルーチンが便利なのか?
今までは、Javaで非同期処理をするには「スレッド(Thread)」という仕組みを使っていましたが、複雑でエラーも起きやすいものでした。
Kotlinのコルーチンは、それをとても簡単にし、安全に非同期処理が書けるようになったのです。
特に以下のような場面でコルーチンは力を発揮します。
- ネットワーク通信(サーバーからのデータ取得)
- 時間がかかる計算処理
- ファイルの読み書き
6. runBlockingとは?
runBlockingとは、コルーチンを「同期的に」実行するための関数です。「同期」とは、ひとつの処理が終わるまで次に進まない動きのことです。
普段は非同期で進めますが、main()関数の中では、すべてのコルーチンが終わるのを待ってから終了するために、runBlockingが必要です。
7. delayとは?sleepとの違い
delayは、コルーチン専用の「待つ」関数です。JavaのThread.sleepのように見えますが、アプリ全体を止めることはありません。
例えばThread.sleepを使うと、すべての処理が完全に止まってしまいます。でも、delayは他の処理は進めながら、対象のコルーチンだけを待たせることができます。
8. Kotlinでコルーチンを使うには何が必要?
Kotlinでコルーチンを使うには、まずkotlinx.coroutinesというライブラリをプロジェクトに追加する必要があります。これにより、launchやdelay、runBlockingといった便利な関数が使えるようになります。
// build.gradle.ktsの一部
dependencies {
implementation("org.jetbrains.kotlinx:kotlinx-coroutines-core:1.7.3")
}
9. コルーチンは「アプリが止まらない仕組み」
ここまでの内容を簡単に言うと、「Kotlinのコルーチンは、アプリを止めずに同時進行で処理をするための道具」です。
難しく聞こえるかもしれませんが、日常生活の中で自然とやっている「同時進行」と同じ考え方です。炊飯器を使ってご飯を炊きながら、他の料理を進めるようなものです。
コルーチンを覚えると、Kotlinのアプリ開発でよくある「止まってしまう問題」を防ぐことができます。とくにAndroidアプリなどではとても重要な考え方になります。