KotlinのsupervisorScopeと構造化同時実行の基本!初心者でもわかる非同期処理の仕組み
生徒
「Kotlinで非同期処理をしていると、エラーで全部止まっちゃうことがあるんですけど、何か方法はありませんか?」
先生
「それは構造化同時実行とsupervisorScopeという機能を使うと解決できますよ。どちらもKotlinの非同期処理でよく使われるテクニックです。」
生徒
「なるほど……でも難しそうですね。初心者にもわかるように教えてもらえますか?」
先生
「もちろんです!わかりやすく順番に説明していきましょう。」
1. Kotlinの構造化同時実行とは?
まず「構造化同時実行(こうぞうかどうじじっこう)」とは、非同期処理(同時に複数の作業を進める処理)を安全に管理するための考え方です。
簡単にいうと、親と子の関係を作って、「親が終わるときには、子どもも全員終わっている」というルールを守るようにする仕組みです。
これによって、「いつ終わるか分からない処理」や「中途半端に動いている処理」を避けられます。
2. エラーで全部止まる? launchとasyncの違い
Kotlinのlaunchやasyncでコルーチン(軽量な並行処理)を動かしていると、1つの処理が失敗(例外)すると、他の処理も巻き添えで止まることがあります。
これを防ぐために使うのがsupervisorScopeという仕組みです。
3. supervisorScopeとは?
supervisorScopeは、複数の子処理のうち、1つが失敗しても他の処理に影響を与えないようにするためのスコープ(囲い)です。
つまり、「失敗した処理だけを止めて、他はちゃんと動かし続ける」ことができます。
これは、例えば「3人でそれぞれ別の荷物を運ぶ作業をしていて、1人がこけても他の2人は続けて作業する」といったイメージです。
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4. 実際にsupervisorScopeを使ってみよう
それでは、実際にKotlinでsupervisorScopeを使ったサンプルコードを見てみましょう。
import kotlinx.coroutines.*
fun main() = runBlocking {
supervisorScope {
val job1 = launch {
delay(500)
println("ジョブ1 完了")
}
val job2 = launch {
delay(300)
throw RuntimeException("ジョブ2 失敗")
}
val job3 = launch {
delay(700)
println("ジョブ3 完了")
}
}
println("すべてのジョブが終了(または中断)しました")
}
5. 実行結果を確認しよう
ジョブ2 失敗
ジョブ1 完了
ジョブ3 完了
すべてのジョブが終了(または中断)しました
このように、ジョブ2がエラーで止まっても、ジョブ1とジョブ3は正常に完了しています。
6. 普通のcoroutineScopeとの違い
coroutineScopeを使った場合、1つの子処理が失敗すると全体がキャンセルされるのが特徴です。
逆にsupervisorScopeでは、他の処理には影響しないので、失敗に強い設計になります。
fun main() = runBlocking {
coroutineScope {
launch {
delay(500)
println("A 完了")
}
launch {
delay(300)
throw RuntimeException("B 失敗")
}
launch {
delay(700)
println("C 完了")
}
}
}
このコードでは、Bが失敗すると、AやCも途中で止まってしまいます。
7. supervisorScopeの使いどころは?
supervisorScopeは、次のような場面で使うと効果的です。
- 複数の独立した処理を同時に動かしたいとき
- 一部の処理が失敗しても、他を継続したいとき
- 信頼性の高い非同期処理を作りたいとき
例えば、ニュースアプリで「複数のニュースAPIからデータを取得」するような場面で、1つのAPIが失敗しても他のデータは表示したい場合などに使えます。
8. supervisorScopeと構造化同時実行の関係
supervisorScopeは、構造化同時実行の中での特別なスコープです。親子関係を保ちつつ、子の失敗を柔軟に扱えるという点で、Kotlinの非同期処理をより安全に・効率的にしてくれます。
「全員で協力するけど、誰か1人の失敗で全体を止めない」という賢い仕組みです。
9. 初心者が覚えておきたいポイント
supervisorScopeは、複数の処理を安全に並列実行できる- エラーが起きても他の処理に影響しない
coroutineScopeとの違いに注意しよう
Kotlinの非同期処理を学ぶうえで、supervisorScopeと構造化同時実行は欠かせない知識です。初心者でもしっかりと理解して使えるようになりますよ。