Swift NSErrorブリッジング|Objective-Cエラーとの連携を徹底解説
生徒
「Swiftでエラーを扱うときに、Objective-CのNSErrorというものが出てきました。これは何なんですか?」
先生
「NSErrorはObjective-Cでよく使われていたエラー表現です。Swiftでもブリッジという仕組みを通して、NSErrorとSwiftのエラーをやり取りできるんです。」
生徒
「SwiftのError型とNSErrorは別物ですよね?どうやって一緒に使うんですか?」
先生
「その通りです。SwiftではErrorプロトコルを使いますが、内部的にNSErrorへ変換(ブリッジ)できるようになっています。具体例を見ながら学んでいきましょう。」
1. NSErrorとは?
NSErrorはAppleが提供するObjective-Cのエラー表現クラスです。エラーの種類やエラーが起きた領域をわかりやすく整理するために作られており、ドメイン(domain)・コード(code)・ユーザー情報(userInfo)といった情報を持ちます。
例えば、ファイルが存在しないときやネットワークに接続できないときなど、NSErrorは詳細な原因を開発者に伝える役割を果たします。
2. SwiftのError型との違い
SwiftではエラーをErrorプロトコルに準拠した型で表現します。これは列挙型(enum)で作られることが多く、コードが読みやすく安全です。一方で、古いObjective-CのAPIやフレームワークはNSErrorを返すため、Swiftとの橋渡し(ブリッジング)が必要になります。
3. SwiftからObjective-CのNSErrorを扱う方法
SwiftでObjective-Cのメソッドを呼び出すとき、エラーがNSErrorPointer(NSErrorの参照)として渡されます。これにより、Swift側ではdo-catch構文を使って自然に扱えるようになります。
import Foundation
enum MyError: Error {
case somethingWentWrong
}
func throwSwiftError() throws {
throw MyError.somethingWentWrong
}
do {
try throwSwiftError()
} catch let error as NSError {
print("NSErrorにブリッジ: ドメイン=\(error.domain), コード=\(error.code)")
}
NSErrorにブリッジ: ドメイン=YourApp.MyError, コード=1
このように、Swiftのエラーは自動的にNSErrorへ変換されるため、Objective-Cの世界と連携できます。
4. NSErrorのプロパティ
NSErrorには主に次のプロパティがあります。
- domain:エラーの分類を表す文字列。例えば「NSURLErrorDomain」など。
- code:エラーの数値コード。原因を識別するために使います。
- userInfo:追加情報を格納する辞書。エラーメッセージや回復方法などが含まれることもあります。
これらを利用すれば、ユーザーにエラー内容をわかりやすく伝えたり、デバッグの際に役立ちます。
5. Objective-CのNSErrorをSwiftで使う
例えば、ファイルの読み込みメソッドはObjective-C由来のNSErrorを利用しています。Swift側ではtry構文を使って簡潔に扱えます。
let fileManager = FileManager.default
let path = "/path/to/file.txt"
do {
let contents = try String(contentsOfFile: path, encoding: .utf8)
print(contents)
} catch let error as NSError {
print("エラー: \(error.domain) - \(error.code)")
}
このようにSwiftのdo-catchで書くと、内部的にはNSErrorをうまく橋渡ししてくれる仕組みになっています。
6. NSErrorを自分で作成する
場合によっては、開発者自身がNSErrorを作って他の処理に渡すこともあります。
let error = NSError(
domain: "com.example.app",
code: 1001,
userInfo: [NSLocalizedDescriptionKey: "予期しないエラーが発生しました"]
)
print(error.localizedDescription)
予期しないエラーが発生しました
このように作成したNSErrorをObjective-Cのライブラリに渡すことで、互換性を保ちながらエラーハンドリングができます。
7. NSErrorブリッジングの活用場面
NSErrorブリッジングは、特に以下のような場面で役立ちます。
- 古いObjective-CライブラリをSwiftから利用するとき
- iOS SDKの一部APIでNSErrorが使われているとき
- SwiftとObjective-Cが混在するプロジェクトで統一的にエラーを扱いたいとき
初心者にとってはやや複雑に感じるかもしれませんが、SwiftとObjective-Cの架け橋になる大事な仕組みです。