カテゴリ: Go言語 更新日: 2025/12/20

Go言語の並行処理でよくあるデータ競合と回避策を徹底解説!初心者でも理解できるgoroutineとchannelの安全な使い方

Go言語の並行処理でよくあるデータ競合と回避策
Go言語の並行処理でよくあるデータ競合と回避策

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、Go言語の並行処理で“データ競合”っていう言葉を聞いたんですけど、何のことなんですか?」

先生

「良いところに気づきましたね。Go言語では、複数の処理を同時に動かす“goroutine(ゴルーチン)”を使いますが、同じデータを同時に扱うと“データ競合”という問題が起こるんです。」

生徒

「なるほど…。データが競争してしまうってことですか?どうやって防ぐんですか?」

先生

「その通りです。競合を防ぐには、Goの“channel(チャネル)”や“sync.Mutex”といった機能を使う方法があります。それぞれを丁寧に説明していきましょう!」

1. データ競合(Race Condition)とは?

1. データ競合(Race Condition)とは?
1. データ競合(Race Condition)とは?

Go言語では、goroutineを使うことで複数の処理を同時に実行できます。これは「並行処理(concurrency)」と呼ばれ、効率的なプログラムを作るために非常に便利な仕組みです。

しかし、複数のgoroutineが同じ変数やメモリに同時アクセスすると、予期しない結果になることがあります。これが「データ競合(Race Condition)」です。

たとえば、同じ変数を同時に書き換えると、どちらの値が最終的に保存されるかわからなくなります。つまり、処理の順番が保証されないのです。

2. データ競合の具体例

2. データ競合の具体例
2. データ競合の具体例

まず、データ競合が起こる典型的な例を見てみましょう。


package main

import (
    "fmt"
    "time"
)

func main() {
    counter := 0

    for i := 0; i < 5; i++ {
        go func() {
            counter++
        }()
    }

    time.Sleep(time.Second)
    fmt.Println("最終結果:", counter)
}

このプログラムでは、5つのgoroutineが同じ変数counterに同時にアクセスして値を増やしています。一見正しく動くように見えますが、実行するたびに結果が変わる可能性があります。これは、複数のgoroutineが同時にcounterを書き換えているためです。


最終結果: 3

上のように、期待している「5」ではなく「3」などになることがあります。これがデータ競合です。

3. Goでデータ競合を検出する方法

3. Goでデータ競合を検出する方法
3. Goでデータ競合を検出する方法

Goでは、race detector(レース検出ツール)を使って簡単にデータ競合を確認できます。実行時に次のようにコマンドを付けるだけです。


go run -race main.go

これを使うと、どの変数で競合が起きているかを詳しく教えてくれます。開発中は必ずこの機能でテストするのがおすすめです。

4. channelを使ったデータ競合の回避

4. channelを使ったデータ競合の回避
4. channelを使ったデータ競合の回避

Goでは、channel(チャネル)を使うことで、goroutine間の安全なデータの受け渡しができます。channelは“データの通り道”のようなもので、ひとつのgoroutineが送信し、もう一方が受信します。


package main

import (
    "fmt"
)

func main() {
    ch := make(chan int)
    counter := 0

    for i := 0; i < 5; i++ {
        go func() {
            ch <- 1
        }()
    }

    for i := 0; i < 5; i++ {
        counter += <-ch
    }

    fmt.Println("安全な結果:", counter)
}

このようにchannelを使うと、データは順番にやり取りされるため、同時アクセスによる競合が起きません。結果も常に正しい「5」が出力されます。


安全な結果: 5

5. sync.Mutexによるデータ保護

5. sync.Mutexによるデータ保護
5. sync.Mutexによるデータ保護

もう1つの代表的な回避策が、sync.Mutex(ミューテックス)です。これは、「この変数を今は私が使っています。他の人は待ってね!」という“鍵”のような役割をします。


package main

import (
    "fmt"
    "sync"
    "time"
)

func main() {
    var mu sync.Mutex
    counter := 0

    for i := 0; i < 5; i++ {
        go func() {
            mu.Lock()
            counter++
            mu.Unlock()
        }()
    }

    time.Sleep(time.Second)
    fmt.Println("Mutexで保護した結果:", counter)
}

このようにmu.Lock()でデータをロックし、mu.Unlock()で開放することで、同時書き込みを防ぎます。結果は必ず「5」になります。

6. channelとMutexの使い分け

6. channelとMutexの使い分け
6. channelとMutexの使い分け

「channel」と「Mutex」はどちらもデータ競合を防ぐための仕組みですが、目的が少し異なります。

  • channel:データの受け渡しを安全に行いたいとき
  • Mutex:同じデータを一時的にロックして処理したいとき

例えば、goroutine同士で「値のやり取り」をしたいならchannelを使い、「同じ変数を操作したい」ならMutexを使うと覚えるとわかりやすいです。

7. データ競合を防ぐためのポイントまとめ

7. データ競合を防ぐためのポイントまとめ
7. データ競合を防ぐためのポイントまとめ
  • 複数のgoroutineが同じ変数を扱うときは注意!
  • go run -raceで必ず競合をチェック
  • channelで安全にデータを受け渡し
  • Mutexで共有データをロックして保護
  • “どんな処理を同時に走らせたいか”を意識して設計する

Go言語の並行処理はとても強力ですが、安全に使うためには「データ競合」を理解し、適切に防ぐことが大切です。初心者のうちは、まずはchannelでgoroutineの連携を練習すると良いでしょう。

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