カテゴリ: Go言語 更新日: 2026/07/16

Go言語の並行処理設計パターン集!パイプライン・ファンアウト徹底解説

Go言語の並行処理設計パターン集(パイプライン・ファンアウトなど)
Go言語の並行処理設計パターン集(パイプライン・ファンアウトなど)

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「Goで複数の処理を同時に動かすとき、どうやって設計すればいいですか?」

先生

「Goでは、goroutineとchannelを組み合わせて効率的に処理を設計する方法があります。代表的なのはパイプラインとファンアウトのパターンです。」

生徒

「パイプラインとファンアウトって何ですか?」

先生

「簡単に言うと、パイプラインは処理を順番につなげる流れ、ファンアウトは同じ処理を複数のgoroutineで分担するやり方です。」

1. パイプラインパターンとは?

1. パイプラインパターンとは?
1. パイプラインパターンとは?

パイプラインは、処理を段階ごとに分けて、それぞれを独立したgoroutineで実行し、channelでデータを渡す設計パターンです。これにより、大きな処理を小さく分けて効率よく処理できます。

例えば、データを読み込む、加工する、出力するという三段階の処理を考えます。各段階を別のgoroutineで実行し、channelでデータを渡すことで、処理全体の速度を向上させられます。

2. パイプラインのサンプルコード

2. パイプラインのサンプルコード
2. パイプラインのサンプルコード

package main

import "fmt"

func main() {
    nums := make(chan int)
    squares := make(chan int)

    // 数字を生成するgoroutine
    go func() {
        for i := 1; i <= 5; i++ {
            nums <- i
        }
        close(nums)
    }()

    // 数字を二乗するgoroutine
    go func() {
        for n := range nums {
            squares <- n * n
        }
        close(squares)
    }()

    // 結果を表示
    for sq := range squares {
        fmt.Println(sq)
    }
}

この例では、数字を生成するgoroutineと二乗するgoroutineがchannelでデータを渡しています。これがパイプラインの基本的な考え方です。

3. ファンアウトパターンとは?

3. ファンアウトパターンとは?
3. ファンアウトパターンとは?

ファンアウトは、同じ入力を複数のgoroutineで処理して負荷を分散する設計パターンです。大量の処理を効率よくさばくときに有効です。

例えば、ウェブから複数のデータを取得して処理する場合、goroutineを複数立ち上げて同時に処理することで、全体の処理時間を短縮できます。

4. ファンアウトのサンプルコード

4. ファンアウトのサンプルコード
4. ファンアウトのサンプルコード

package main

import (
    "fmt"
    "sync"
)

func worker(id int, jobs <-chan int, results chan<- int, wg *sync.WaitGroup) {
    defer wg.Done()
    for j := range jobs {
        results <- j * 2
    }
}

func main() {
    jobs := make(chan int, 5)
    results := make(chan int, 5)
    var wg sync.WaitGroup

    // ワーカーを3つ立ち上げる
    for w := 1; w <= 3; w++ {
        wg.Add(1)
        go worker(w, jobs, results, &wg)
    }

    // ジョブを送る
    for j := 1; j <= 5; j++ {
        jobs <- j
    }
    close(jobs)

    // ワーカーの終了を待つ
    go func() {
        wg.Wait()
        close(results)
    }()

    for res := range results {
        fmt.Println(res)
    }
}

この例では、3つのワーカーgoroutineがjobsチャネルからデータを受け取り、処理結果をresultsチャネルに送っています。これがファンアウトの基本形です。

5. パイプラインとファンアウトを組み合わせる

5. パイプラインとファンアウトを組み合わせる
5. パイプラインとファンアウトを組み合わせる

実際のシステムでは、パイプラインとファンアウトを組み合わせることで、高速かつ効率的な並行処理が可能です。パイプラインで段階的に処理しつつ、各段階でファンアウトを使い処理を分散させることで、大量データの処理もスムーズになります。

ポイントは、goroutineを無制限に増やさず、channelで適切にデータを制御することです。バッファ付きchannelを利用すると、処理が詰まるのを防ぎ、安定した並行処理ができます。

6. パイプラインにおけるエラーハンドリングの設計

6. パイプラインにおけるエラーハンドリングの設計
6. パイプラインにおけるエラーハンドリングの設計

パイプラインパターンを実装する際には、エラーハンドリングの設計も非常に重要です。並行処理では複数のgoroutineが同時に動いているため、どこでエラーが発生したのか分かりにくくなることがあります。そのため、エラー専用のchannelを用意して、各処理からエラーを集約する設計がよく使われます。

例えば、データ処理の途中で不正な値が見つかった場合、そのエラーを別のchannelに送ることで、メイン処理側でまとめて対応できます。このように設計することで、処理の見通しが良くなり、デバッグもしやすくなります。


package main

import "fmt"

func main() {
    data := make(chan int)
    errs := make(chan string)

    go func() {
        for i := 1; i <= 5; i++ {
            if i == 3 {
                errs <- "エラーが発生しました"
                continue
            }
            data <- i
        }
        close(data)
        close(errs)
    }()

    for {
        select {
        case d, ok := <-data:
            if ok {
                fmt.Println("データ:", d)
            }
        case e, ok := <-errs:
            if ok {
                fmt.Println("エラー:", e)
            } else {
                return
            }
        }
    }
}

このようにエラーを分離して扱うことで、安全で保守性の高い並行処理が実現できます。

7. ファンインパターンで結果をまとめる

7. ファンインパターンで結果をまとめる
7. ファンインパターンで結果をまとめる

ファンアウトで複数のgoroutineに処理を分散した場合、その結果を一つにまとめる必要があります。このときに使われるのがファンインパターンです。複数のchannelからのデータを一つのchannelに集約することで、後続の処理をシンプルにできます。

ファンインは、複数の入力を一つの出口に集めるイメージで、ログ収集や並列処理の結果集約などでよく使われます。


package main

import "fmt"

func main() {
    ch1 := make(chan int)
    ch2 := make(chan int)
    merged := make(chan int)

    go func() {
        for i := 1; i <= 3; i++ {
            ch1 <- i
        }
        close(ch1)
    }()

    go func() {
        for i := 4; i <= 6; i++ {
            ch2 <- i
        }
        close(ch2)
    }()

    go func() {
        for ch1 != nil || ch2 != nil {
            select {
            case v, ok := <-ch1:
                if ok {
                    merged <- v
                } else {
                    ch1 = nil
                }
            case v, ok := <-ch2:
                if ok {
                    merged <- v
                } else {
                    ch2 = nil
                }
            }
        }
        close(merged)
    }()

    for v := range merged {
        fmt.Println(v)
    }
}

このようにファンインを使うことで、複数の処理結果を一つの流れとして扱えるようになります。

Go言語を基礎からスッキリ学びたい人や、 文法だけでなく「実用的な使い方」まで押さえたい人には、 定番の入門書がこちらです。

基礎からわかるGo言語をAmazonで見る

※ Amazon広告リンク

8. 並行処理設計で重要なベストプラクティス

8. 並行処理設計で重要なベストプラクティス
8. 並行処理設計で重要なベストプラクティス

Go言語の並行処理を安全かつ効率的に行うためには、いくつかのベストプラクティスを理解しておくことが重要です。goroutineは軽量ですが、無制限に増やすとメモリやCPUに負荷がかかります。そのため、適切な数で制御することが大切です。

また、channelのクローズ処理を忘れると、処理が終了しない原因になります。特にパイプラインでは、すべての段階で適切にcloseを行う必要があります。これにより、後続の処理が正しく終了します。

さらに、select文を使うことで複数のchannelを効率よく扱うことができます。これにより、柔軟で拡張性の高い並行処理設計が可能になります。


package main

import "fmt"

func main() {
    ch := make(chan int, 2)

    go func() {
        ch <- 1
        ch <- 2
        close(ch)
    }()

    for v := range ch {
        fmt.Println(v)
    }
}

このような基本を押さえることで、Go言語の並行処理をより安全に扱うことができるようになります。パイプライン、ファンアウト、ファンインを組み合わせて設計することで、大規模なシステムでも効率的に処理を行うことが可能になります。

関連セミナーのご案内

【超入門】ゼロから始めるGo言語プログラミング:最速で「動くアプリ」を作るマンツーマン指導

「プログラミングの仕組み」が根本からわかる。Go言語でバックエンド開発の第一歩を。

本講座を受講することで、単なる文法の暗記ではなく、「プログラムがコンピュータの中でどう動いているか」という本質的な理解につながります。シンプルながら強力なGo言語(Golang)を通じて、現代のバックエンドエンジニアに求められる基礎体力を最短距離で身につけます。

具体的な開発内容と環境

【つくるもの】
ターミナル(黒い画面)上で動作する「対話型計算プログラム」や、データを整理して表示する「ミニ・ツール」をゼロから作成します。自分の書いたコードが形になる感動を体験してください。

【開発環境】
プロの現場でシェアNo.1のVisual Studio Code (VS Code)を使用します。インストールから日本語化、Go言語用の拡張機能設定まで、現場基準の環境を一緒に構築します。

この60分で得られる3つの理解

1. 環境構築の完全な理解

「なぜ動くのか」という設定の仕組みを理解し、今後の独学で詰まらない土台を作ります。

2. Go言語の基本構造(変数・型)

データの種類やメモリの概念など、他言語にも通じるプログラミングの本質を学びます。

3. 読みやすいコードの書き方

ただ動くだけでなく、誰が見ても分かりやすい「綺麗なコード」を書くための考え方を伝授します。

※本講座は、将来的にバックエンドエンジニアやクラウドインフラに興味がある未経験者のためのエントリー講座です。マンツーマン形式により、あなたの理解度に合わせて進行します。

セミナー画像

初めてのGo言語を一緒に学びましょう!

カテゴリの一覧へ
新着記事
New1
Kotlin
Kotlinのrunの使い方!スコープ内で処理をまとめるテクニック
New2
Kotlin
Kotlinの文字列を逆順にするreversedの使い方を徹底解説!初心者でもわかる文字列操作入門
New3
Kotlin
KotlinのtoList・toCharArrayの使い方を徹底解説!文字列をリストに変換する方法を初心者向けにやさしく説明
New4
Kotlin
Kotlinの拡張プロパティとは?基本的な作り方と活用例を初心者向けに解説
人気記事
No.1
Java&Spring記事人気No1
C#
C#プログラムの基本的な書き方を完全解説!初心者でもわかる文法入門ガイド
No.2
Java&Spring記事人気No2
Swift
Swift入門ガイド|基本構文と書き方をマスターしよう
No.3
Java&Spring記事人気No3
Kotlin
Android Studioのインストール手順と初期設定を初心者向けに完全解説!
No.4
Java&Spring記事人気No4
Swift
Swift Playgroundの使い方を完全解説!初心者に最適な学習環境の始め方
No.5
Java&Spring記事人気No5
C#
C#の論理演算子の使い方を完全ガイド!&&・||・!を初心者でもわかりやすく解説
No.6
Java&Spring記事人気No6
Kotlin
Kotlinのインストール方法まとめ!Windows・Mac・Linux別にステップ解説
No.7
Java&Spring記事人気No7
Kotlin
KotlinでZIPファイルの圧縮と解凍を実装する手順を完全解説!Kotlinファイル操作と入出力I/O入門
No.8
Java&Spring記事人気No8
Swift
Swiftでユーザー向けエラーメッセージ設計を徹底解説!iOSアプリのUI/UXで注意すべきポイント

💻 作業効率アップに

ノートPCを縦置きしてデスクを広く。
省スペースで片づく定番スタンド

UGREEN 縦型スタンドをAmazonで見る

※ Amazon広告リンク