カテゴリ: Go言語 更新日: 2025/12/19

Go言語のsyncパッケージの基本!WaitGroup・Mutexの使い方をやさしく解説

Go言語のsyncパッケージの基本!WaitGroup・Mutexの使い方
Go言語のsyncパッケージの基本!WaitGroup・Mutexの使い方

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生!Go言語で並行処理をするときに、syncパッケージってよく出てきますけど、何をするものなんですか?」

先生

「良いところに気づきましたね。Go言語のsyncパッケージは、複数の処理(goroutine)を安全に制御するための道具箱なんです。中でもよく使うのがWaitGroupMutexです。」

生徒

「なるほど!でもそれぞれ、どんな場面で使うんですか?」

先生

「それでは、実際のコードを見ながら、WaitGroupMutexの基本を一緒に学んでいきましょう!」

1. syncパッケージとは?

1. syncパッケージとは?
1. syncパッケージとは?

Go言語のsyncパッケージは、「スレッドセーフ(安全な並行処理)」を実現するための仕組みを提供しています。Goでは、同時に複数の処理を実行するために「goroutine(ゴールーチン)」という軽量スレッドを使います。しかし、同じ変数を複数のgoroutineが同時に操作すると、結果が壊れてしまうことがあります。

そのため、データの整合性を守りながら並行処理を行うために登場するのが、sync.WaitGroupsync.Mutexです。

2. WaitGroupでgoroutineの完了を待つ

2. WaitGroupでgoroutineの完了を待つ
2. WaitGroupでgoroutineの完了を待つ

WaitGroupは、「複数のgoroutineが終わるまで待つ」ための仕組みです。例えば、3つの処理を同時に実行して、全部終わってから次の処理に進みたい場合に使います。

使い方はシンプルで、以下の3つのメソッドを覚えればOKです。

  • Add(n):待つゴルーチンの数を登録する
  • Done():ゴルーチンが終了したことを通知する
  • Wait():すべてのゴルーチンが終了するまで待機する

WaitGroupの実装例


package main

import (
    "fmt"
    "sync"
    "time"
)

func worker(id int, wg *sync.WaitGroup) {
    defer wg.Done() // 終了を通知
    fmt.Printf("Worker %d: 開始\n", id)
    time.Sleep(1 * time.Second) // 疑似的な作業時間
    fmt.Printf("Worker %d: 終了\n", id)
}

func main() {
    var wg sync.WaitGroup

    for i := 1; i <= 3; i++ {
        wg.Add(1)
        go worker(i, &wg)
    }

    wg.Wait() // すべてのworkerが終わるまで待つ
    fmt.Println("すべての作業が完了しました!")
}

実行結果


Worker 1: 開始
Worker 2: 開始
Worker 3: 開始
Worker 1: 終了
Worker 2: 終了
Worker 3: 終了
すべての作業が完了しました!

このようにWaitGroupを使うことで、複数のgoroutineが終わるのを安全に待つことができます。

3. Mutexでデータ競合を防ぐ

3. Mutexでデータ競合を防ぐ
3. Mutexでデータ競合を防ぐ

Mutex(ミューテックス)は、「同時に1つのgoroutineしか変数を触れないようにする鍵」のようなものです。複数のgoroutineが同じ変数を同時に更新すると、意図しない結果になることがあります。これを防ぐために使います。

Mutexを使わない場合の例


package main

import (
    "fmt"
    "time"
)

var count int

func increment() {
    for i := 0; i < 1000; i++ {
        count++
    }
}

func main() {
    for i := 0; i < 5; i++ {
        go increment()
    }
    time.Sleep(1 * time.Second)
    fmt.Println("カウント結果:", count)
}

実行結果(例)


カウント結果: 4378

本来なら「1000 × 5 = 5000」になるはずなのに、結果がバラバラになります。これは複数のgoroutineが同時にcountを更新してしまうためです。

Mutexを使った正しい例


package main

import (
    "fmt"
    "sync"
    "time"
)

var (
    count int
    mu    sync.Mutex
)

func increment() {
    for i := 0; i < 1000; i++ {
        mu.Lock()   // ロックをかける
        count++
        mu.Unlock() // ロックを外す
    }
}

func main() {
    for i := 0; i < 5; i++ {
        go increment()
    }
    time.Sleep(1 * time.Second)
    fmt.Println("カウント結果:", count)
}

実行結果(例)


カウント結果: 5000

mu.Lock()で「この変数は今使っていますよ」と宣言し、他のgoroutineが触れないようにします。終わったらmu.Unlock()でロックを外します。これでデータの整合性を保ちながら安全に並行処理ができます。

4. WaitGroupとMutexを組み合わせる

4. WaitGroupとMutexを組み合わせる
4. WaitGroupとMutexを組み合わせる

実際のプログラムでは、WaitGroupMutexを組み合わせて使う場面が多いです。WaitGroupで「全ゴルーチンの完了を待ち」、Mutexで「変数の安全な更新」を行うという流れです。


package main

import (
    "fmt"
    "sync"
)

var (
    count int
    mu    sync.Mutex
)

func add(wg *sync.WaitGroup) {
    defer wg.Done()
    for i := 0; i < 1000; i++ {
        mu.Lock()
        count++
        mu.Unlock()
    }
}

func main() {
    var wg sync.WaitGroup
    for i := 0; i < 5; i++ {
        wg.Add(1)
        go add(&wg)
    }
    wg.Wait()
    fmt.Println("最終カウント:", count)
}

実行結果


最終カウント: 5000

このように、sync.WaitGroupsync.Mutexを使うことで、複数のゴルーチンを安全かつ正確に制御できます。Go言語で並行処理を行うときには欠かせない基本テクニックです。

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